Lift Your Skinny Fists Like Antennas to Heaven

Lift Your Skinny Fists Like Antennas to Heaven

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カナダ出身のバンド。メンバーは不定で、9人以上から成る。ドラムス・2人、ギター・3人、ベース、ストリング(ヴァイオリンやチェロ)等の編成。
また、彼らのバンド名は日本の暴走族“ブラックエンペラー”を題材にしたドュメンタリー映画『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』(76年/柳町光男監督)からとられた。


彼らの編み出す音、静と動の使い方には鳥肌が立つ。1曲の長さが20分以上になることもざらで、その1曲の流れは壮大な劇のよう。ギター、ストリングスの分厚いアンサンブル、そして重厚なドラム、ベースが正しく刻まれるその一本のライン自体は、決して難解ではない。しかしそのラインが一つで終わることはなく、臨界点まで達するとまた違うラインへ移行し、しかもそれらが完璧につながってくる。そうしてただ聴いていたはずの自分が取り込まれていく。動かされていく。言い換えると、“聴く”と言う待ちの姿勢から、ぐいぐいと求めていく、“聴こう”とする動的な状態へと移行していく。求めていく。この状態において感じたのは、名状しがたい希望と美しさだった。こんなにまで冷たいのに、暖かい。そんなアンビバレンスな感覚を、受け取った。


彼らに言及するには、どうしても抽象的な言葉を使わざるを得ない。
ロックとも言い切れないし、現代音楽とも言い切れない。その二つの融合といえばいいのだろうか。彼らは、一つの世界を創造してしまった。言葉で伝えられるわけがない。是非とも一聴を勧めたい。

  • 彼らのオフィシャルホームページはこちら。

http://www.brainwashed.com/godspeed/