国立東京近代美術館に行き、「アジアのキュビスム」を見てきました。キュビスムといえばもちろんピカソやG・ブラック等が有名で西洋特有の物と思われがちですが、アジアにも伝播していたのです。とはいえ、西洋近代的自我を我々が完全に受容できないのと同様、西洋のキュビスムの本質をアジアの画家達を完全に捉えられたとは言い難いと思います。しかしそこにはピカソやG・ブラックにはない、極彩色を多用した鮮やかなキュビスムがありました。
ここに一つのヒントが隠されていると思います。我々はグローバリゼーションに怯え、自分たちの文化が無くなってしまうことを恐れますが、均一化した世界などは実は生まれようがないのではないでしょうか。グローバリゼーションが進んだ後に見られるのは、ある種の葛藤と融和を通過した新たな文化や文明、文化や文明の変化なのでは。
「近代」という時代によって生み出された、多数の視点から対象を見つめる新たな「まなざし」であるキュビスム。「まなざし」さえも文化なのだということを、肌で感じてきました。



こちらは別館の工芸館。明治時代に作られたというのに(改装はしてるだろうけど)いまだに綺麗で新鮮な感じでした。皇居の近くにもあるそこは、散歩コースとしてもいい感じ。地下鉄東西線竹橋駅より徒歩5分。皆様も是非ご覧くださいませ。